2023年期間終了のNISAはロールオバーできない

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【執筆者】マネースミス 吉野 裕一

2024年から新NISAが始まります。これまでのNISAはそのまま継続することはできますが、ロールオーバーはできなくなります。
筆者がウェブ上でみる説明では新NISAにロールオーバーできないという記事が多く見られますが、今回は少し詳しく説明してみます。

現行NISAはどうなる

現行NISAは、毎年NISA口座を開設する必要があり、今年の2023年のNISA口座開設は可能ですが、2024年からは現行NISAは廃止となります。
ただ、仮に2023年にNISA口座を開設した場合は、2027年までNISA口座で運用することができます。
これまでの制度では、非課税期間延長(ロール-オーバー)することで、さらに5年間のNISA口座で運用することが可能でした。

NISA制度が始まってから、利用している人は毎年NISA口座のロールオーバーを行っている人もいると思います。
毎年行っているので、複数回できると思われる人もいるかもしれませんが、ロールオーバーは開設した年に対して1回のみできる制度になっています。
2014年に開設した場合、2018年で非課税期間が満了し、翌年の2019年から2023年までさらに運用することができます。
2015年に開設した場合は、2019年に非課税期間が満了となり、2020年から2024年まで運用することができます。

新NISAへのロールオーバーはできない

前回の制度改正の時には、現在のNISA口座は新NISAにロールオーバーできるという制度になっていました。しかし、今回、制度の抜本的な見直しを行ったことで、現行NISAと新NISAは別の制度として捉えることになりました。
ですので、現行NISAが非課税期間が終了するまでは、新NISAと併用することができるようになり、さらに新NISAでは「つみたて投資枠」と「成長投資枠」と今までの「つみたてNISA」と「一般NISA」の名称が変更になりました。
現行NISAでは、「つみたてNISA」と「一般NISA」は併用することが出来ませんでしたが、新NISAでは「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の併用が可能となり、投資額も年間で「つみたて投資枠」の120万円と「成長投資枠」の240万円を合わせて、360万円まで投資することができることになりました。
2019年に開設した現行NISAで、ロールオーバーしていない場合や、2020年からNISAを始めた人は、2024年からも現行NISAが使えるので、2024年は最大で720万円(現行NISA3年分と新NISAの上限)を非課税で運用することができることになります。
その後は、2025年は最大で960万円(現行NISA2年分と新NISA2年分)と現行NISAは減少していきますが、新NISAの投資上限額が増えることで毎年投資額合計は増えていくことになります。
ただ、新NISAは非課税期間が無期限になったことで、生涯投資額が1,800万円(成長投資枠1200万円、つみたて投資枠600万円)となり、毎年360万円投資していくと5年間で満額となることになります。

※筆者作成

ここでさらに注意点があり、現行NISAでは投資額で決められていましたが、新NISAでは簿価残高で投資額が判定されます。要は取得価額が投資額になるのですが、この取得価額は購入を繰り返し行っていくことで、実際の投資額と取得価額に差が生じてしまいます。取得価額は、購入単価×購入口数で計算されるため、価額の違うときの購入を繰り返すことや分配金が再投資されることで実際の投資額と差が出てくるのです。

2023年のNISA口座はロールオーバーできない

2024年から新NISAが始まり、現行NISAの終了となる2023年のNISA口座は、新NISAにロールオーバーできないという情報が多く目にします。ただ、現行NISAでは、5年終了後に一度だけロールオーバーすることができると書きましたが、今年、終わるNISA口座に関しては、2024年に現行NISAの口座を開設することができなくなるため、今年のNISA口座は終了し、2024年1月に課税口座に移管されることになります。
また新NISAにロールオーバーすることができないので、新NISAで運用を行いたい場合は、一旦、売却をして現金化したうえで、新NISA口座で商品を買付することになります。

まとめ

インターネット上などの記事で、詳しく説明しているものが少なかったので、今回は、現行NISAのロールオーバーについて記事を書きました。現行NISAでは既にロールオーバーができなくなっています。
2018年に開設したNISA口座に関しては、2022年に非課税期間が満了し、2023年にロールオーバーできましたが、2019年に開設したNISA口座に関しては、2023年に非課税期間が満了し、2024年にロールオーバーすることができずに、課税口座に移管されることになります。
課税口座に移管されると以後の利益については課税されるために、移管後すぐに売却をして新NISAを利用することも考えられますが、売却時に係る信託財産留保額という手数料がかかるものがあったり、購入時には購入時手数料がかかってきたりすることで、コストがかかることも考えておきましょう。

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