【執筆者】マネースミス 吉野 裕一
投資は分散が基本と言われます。分散とひと言でいっても、いろいろな考え方があります。今回は、分散投資について詳しく説明していこうと思います。
「たまごは同じ籠に盛るな」
投資の勉強を始めたときに、おそらく一番よく聞くことだと思う言葉が「たまごを同じ籠に盛るな」という言葉だと思います。沢山の卵を運ぶときに同じ籠に盛って運んでいて、もし、転んでしまった時に全ての卵が割れてしまい台無しになってしまうという意味で使われています。投資でこの格言が出てきたのは、ひとつの投資先に集中して投資をしていると投資先がゼロになってしまった時に全ての投資財産が無くなってしまう可能性もあるので、投資先を分けようという意味でつかわれています。
これが分散投資という意味になりますが、この籠もただ単に分けるだけではなく、分け方にも工夫が必要になります。
投資先の分散
分散投資を考えると、単純に複数の投資先に投資をすればいいと考えてしまうかもしれません。分散投資を行う場合、値動きの違う投資先や関係性の薄い投資先に分散投資することも大切になります。最近はグローバル化も進んでいますが、投資する国の分散が思い浮かぶと思います。さらには、株式や債券など投資先の種類もあります。長期的な運用を考えた場合、先進国と言われる国はある程度、安定した成長が見込まれますが、新興国では今後大きく成長するのではないかという期待が高くなるのではないでしょうか。新興国は今後の成長への期待は高いですが、国自体が不安定なこともあり、投資に対してリスクも高くなります。(リスクは前回のコラムにも記載しましたが、振れ幅や不確実性のことになります。)
投資先の分散だけではなく、時間の分散も
分散投資と聞くと、前項のように投資先の分散が考えられます。また通貨などの分散もあるのかもしれません。これは投資先の分散で動きの違うものへの投資がリスクの軽減になるという効果が期待できるからです。ただ分散の中でも時間の分散も投資の中では有効だと言われています。専門的にはドル・コスト平均法という日本語では、定時定額購入と言ってもいいと思います。投資は価格などが変化するものに投資を行うために、投資先の価格が相対的に高い時に一括投資を行ってしまうと、その後、価格が下落した時になかなか取り戻すことができなくなる可能性が出てしまいます。定時定額購入という積立を行うことで、高い時には数量を少なく購入し、安くなった時には多く購入できるという購入方法がとれることで、購入単価の平均が取れるというものです。
まとめ
今回は、分散投資について説明しました。分散投資には地域や国の分散や投資対象の分散などがあります。さらに価格の変動するものへ投資を行うので、時間の分散も大切になります。
投資は長期で運用を行うことが大切ですが、分散をすることで、リスクの軽減にも繋がります。是非、投資の基本を知って、将来の準備を行いましょう。